2019.12.20
“印刷”という言葉で一括りにされがちな「製本」工程ですが、 製本を専門として行う会社も多数あり、製本技術も多種多様な進化を遂げています。
その中でも革命的な進化を遂げたのが、新型接着剤「PUR」を使用した製本です。
当社では積極的にPUR接着剤を使用した製本を勧めております。
それはPUR製本の持つ数々の魅力があるためです。
【PUR製本のススメ】第4回は、PUR製本の大きな特徴の一つである
「外気温に左右されない」について説明したいと思います。
本は意外にデリケートです。特に温度変化には弱いのです。
現在の印刷製本業界でもっともポピュラーな製本のホットメルト接着剤において言えば、
耐寒温度がマイナス0度、耐熱温度が40度前後と言われています。
一方、PUR接着剤の耐寒温度がマイナス20度、耐熱温度が120度前後となります。
耐寒温度 | 耐熱温度 | |
ホットメルト | 0℃ | 40℃ |
PUR | -20℃ | 120℃ |
表を見る限り、PURが圧倒的なスペックを誇っています。
ホットメルトの耐熱限界温度が40度前後という特性は実は、本を傷める最大の原因です。
耐熱限界温度に達するとどうなるのかといえば、単純に本の背に使用しているホットメルト接着剤が溶けます。
接着剤が溶けることで束ねられていたページが徐々にほころび、冷えることによって、ほころんだまま、また固まります。
これを繰り返すことによって、製本時に統合して接着力を発揮していたホットメルトが細列化され接着力が徐々に失われていきます。
結果、突然ページが抜け落ちてしまったり、本の背が割れてしまうということになります。
ここ最近の異常気象も踏まえると、気温40度という環境は決して珍しい環境ではありません。
例えば夏場の暑い車内や倉庫、配送時、一時的にアスファルトの上に置く時、船便などの船内、日中ずっと陽に当たったままの本棚などが挙げられます。
具体例をあげてみましょう。
【トラブル その1】
社用車内に置かれた商品カタログや取扱い説明書です。一番多い本が傷む原因です。
大きさ的にかさばるカタログや取扱い説明書は、お客様先で使ったり、トラブルの際に読んだりすることはあっても、常に持ち歩くこともなく、ついつい車中に置きっぱなしになりがちです。
夏場の昼の暑い車内に置いておくことにより、接着剤の溶解が始まっていきます。しかし夜は温度が下がるので、溶けた接着剤は再び固まります。そして次の日にまた暑い車内に残されます。
それを繰り返すことにより、カタログは見えない部分から少しづつ傷んでいき、ある時に本を開いた時にパキパキッという音と共にページが抜けてしまいました。
【トラブル その2】
家庭内で本棚にきちんと整頓された絵本です。これも本が傷む原因になりえます。
日中、本棚に絵本は整頓されているものの、実はそこは日中、ずっと陽に当たったままの本棚だったりします。
整頓されているので、絵本を動かすこともなく、ずっと陽に当たっています。しかも整頓が仇となり背の接着剤が塗ってある部分が集中的に温められてしまっています。
そして接着剤は再溶解と再凝固を繰り返します。
その後、長い年月を経た後、懐かしさも手伝って、冬場に久々に絵本を開いたら、バキッという音と共に本の背が割れてしまいました。
そんなにハードに使ってないのに何故?という場合、上記のような環境下で保管されていたのかもしれません。
ですが、新型接着剤PURに関していえば、上記のような例は一切あてはまらないのです。
というのも
先ほど紹介した通り、この新型接着剤PURの耐寒限界温度がマイナス20度、耐熱限界温度が120度前後とホットメルト接着剤とは桁違いの耐寒耐熱性能を誇っています。おそらく本の背の接着がダメになる前に、本そのものがやられてしまうレベルです。さすがは他業界でも愛用される工業用接着剤といえます。
PURは加熱溶解の後、空気中の水分(湿気)と反応して硬化します。その反応を終えると皮膜を形成し、再加熱しても溶けない熱硬化性樹脂に変化します。
現状で接着特性や耐水・耐寒耐熱に関して、PUR接着剤を超えるものはほとんどないといわれています。
いうなればホットメルトはチョコレートでPURはクッキーの様と揶揄されます。
また、この耐熱性は電子書籍端末とも比較しても有利だといえます。電子書籍端末の動作温度がメーカー推奨で0~35℃とホットメルトと大差ありません。
それほどPUR製本は非常に優れているといえます。
弊社ではこの最先端のPUR製本技術がお客様とユーザーに付加価値を提供し、御社の販売力を高めるお手伝いができます。
これを機会にPUR製本に切り替えてみませんか?
詳細は各営業スタッフまでお問い合わせください。
下記でもお見積り等受付致します。
お問い合わせください。